新人調剤薬局薬剤師に磨いて欲しい力、5選

学生

新人教育担当として教えていると、
自分の知識のなさに愕然として、勉強しなくてはと焦ってしまうメガネにゃんです。

現在働いている店舗では、新人薬剤師の教育担当をやっており、
基本から教えていて中々楽しいです。
私は人に何か教えることが好きだな~と改めて思いました。

さて、この新人教育を行っていて、実感することがあったので、
今回はそれをテーマに書きます。
題して、新人薬剤師に磨いて欲しい力5選。

教えていて、この力を伸ばして欲しいな~と感じていたことを
大きく5つに分類できるなっと感じたので5選になります。

5個目はちょっと無理矢理ですが・・・・
新人の時からできると、その後の成長が変わると思い、選びました。

薬学的知識・病識

まず1つ目は、もう言うまでもないので省きたいですが、
(用法用量適応症を知っているとか最低限の話は割愛します。)
簡単に説明していきます。

薬学的知識と記載しましたが、ただ単純に薬剤師国家試験で求められるような力ではないです。
そのような力であれば、私は自信がない・・・・

いわゆる、相互作用・禁忌を見逃さないとか添付文書等から効果発現時期を予測するなど、
薬剤師としての知識を使うことは勿論ですが、
患者さんからの質問の多くは教科書に載っていないことが多いです。

粉薬の味は?目薬の差す順番は?この点鼻点眼薬って何日分?
この薬の使い方は?このシップ何枚まで貼っていい?
この薬って強いの?副作用はあるの?
などなど・・・薬学的知識を使うものもあれば、学校では習わないけど、
薬剤師として知っておくべき知識があります。

それらをどんどん増やして欲しいです。
病態から患者さんや患者家族に寄り添えるような話をしたり、
正しい薬の使い方を説明し、正しく使ってもらう。
患者様にも理解できる言葉で話せるようになって頂きたいです。
中々この患者様にも理解できる言葉を使うのが難しいですが・・・・

相手の理解度に合わせて言葉を変えなくてはいけないので、
通り一辺倒の説明では対応できません。
新人薬剤師はどうしても最初慣れている薬学業界用語を使いがちですが、
それを何とかして誰にでもわかる・説明できる言葉に変換していただきたいと思います。
感覚としては、中学生くらいの子に説明するつもりで話せばいいかと。

自分なりに投薬の数をこなすことが大事だし、
説明できるようにイメトレしておくのもいいと思います。

毎年新しい薬が発売されるので、知識のアップデートも欠かせません。
数年勉強をさぼれば知らない薬も増えますし、ガイドラインも改訂され、
自分の知っている知識が時代遅れになることもあります。

まずは新人が一番に伸ばさなくていけない力でもあり、
薬剤師として働くのであればずーーーーーーーーーーーーっと
磨かなくてはいけない力です。

コミュニケーション能力

続いてはコミュニケーション能力です。
コミュニケーション能力としては、具体的に2つに分けたいと思います。

1つ目は対外的コミュニケーション能力。2つ目は対内的コミュニケーション能力。

対外的コミュニケーション能力というのは調剤室・薬局内以外の人との
コミュニケーションを良好に取れるようにという意味を込めています。

調剤室薬局内以外を具体的に言うと、門前のDr、受付スタッフ・看護師、
門前以外の病院の疑義照会相手、患者さん、患者家族、
老人ホームなどの施設担当者、卸担当者、MRさん、卸の配送の方、
機械の業者等々仕事に関わる人達すべてです。

これらの方たちとの関係性を上手に構築できるコミュニケーション能力を
身につけていただきたいと思います。

もちろん、人と人なので苦手などはあるかと思いますが、
上手く関係性を築ければ仕事がスムーズに進みます。

疑義の仕方・言葉使いでも対応が変わります。
患者さんとのコミュニケーションは特に重要です。
これが上手くなれば投薬も上手くなりますし、混んでいて待ってもらう時や
ミスした時、電話をもらった時などの対応が変わります。

本当に上手な人は上手です。
参考になる対応の仕方をしている人を私は何人か見てきました。
トラブルになりそうな対応もトラブルにならず、
逆に顧客との仲を深める出来事になっていたことに驚きました。
思わず、コミュニケーションモンスターって陰で言ってましたし。。。

続いて、対内的コミュニケーション能力についてですが、
対内的とは、薬局内でのコミュニケーション能力のことです。

調剤薬局の薬剤師となると平均的に1店舗に2~3人程度の薬剤師と
2~3人程度の事務さんで構成されていることが多いです。

そのため、調剤薬局の中での狭い世界での立ち回り、
人間関係が濃密になるので、
そこでの立ち居振る舞いに気をつけて欲しいと思います。

管理薬剤師が変われば薬局内の雰囲気がガラッと変わったりもします。
1人楽しい人がいれば楽しい職場の空気感に変わります。
逆に1人でも態度の悪い人がいれば空気は重くなります。

みんな仲良くは中々難しいかもしれませんが、
薬局の中での言葉や態度には色々気をつけてください。

管理薬剤師がどんな人かにより、店舗の雰囲気も大きく変わりますが、
管理薬剤師や勤務薬剤師、事務の方との良好なコミュニケーションが
仕事をより正確に無駄なく効率的にできる肝となります。

コスト感覚

3つ目はコスト感覚。つまりはお金周りの話になります。
薬局でのお金となるとまず第一は調剤報酬についてです。
調剤報酬を学んでいない薬剤師が多すぎてビックリします。

みなさんはしっかりと勉強しましょう。
保険薬局薬剤師なのですから。
自分の給料の源泉はどこからきてるのか、説明できるように。

今教えている新人にはお金のこともかなり教えています。
それは、収益が出なければ閉店することがある時代に
突入してきているのがこの業界だからです。

調剤報酬を勉強して、ちゃんと加算を取りましょう。
忙しいと、加算を取り忘れることがあるので注意も必要。
事務さんに任せっきりもよくないです。

昔のかなりいい時代を過ごされた方々はお金のことを気にしなかったりしますが、
今はそんな事を言っていられません。

閉店したら地域医療に貢献するというような崇高なビジョンを持っていようが、
患者さんに迷惑をかけてしまいます。
また、閉店させてしまうぐらいの管理能力しかないと
上司に判断されてしまうのはちょっと残念ですね。

薬局のお金となると在庫管理についても注意して欲しいです。
昔と違いとんでもなく高価な薬もある現在。
肝炎の薬などでは、売り上げが数百万変わってきます。
つまりは、調剤薬局でもかなり高額な薬が在庫されるようになりました。
その発注をバンバンやられてしまってはとんでもないです。
空き箱発注などしていると特にその傾向が高いですし。
1人しか使っていない薬など過剰に在庫しないように心がけるだけでも
管理薬剤師の仕事の手伝いになります。

また、色々やるとなると経費がかかるので費用対効果を考えられるようになりましょう。

薬局の利益はちょーぜつわかりやすいので、自分がいくら稼いでいるのか?
自分が所属する店舗の利益はどれくらい出ているのか?など
わかっておきましょう。

実務実行力

4つ目は当たり前ですが、実務の実行力。スピードです。
ピッキングや一包化、報告書などなど日々の業務のスピードを上げましょう。
薬局利用の満足度に関わることとして薬を受け取るまでの時間があります。

早く薬を提供するためには、ピッキングや一包化、粉を測るとか軟膏混ぜるなどなど
実務のスピードをどれだけ上げれるかというのが重要になってきます。

0402通知により、非薬剤師スタッフによる業務が明確になりましたが、
まだまだ、薬剤師がピッキング等をやっているかと思います。
そのスピードをあげていきましょう。

ピッキングするにも、棚の場所等からどれから取るとスムーズなのか?
左手で取るのと右手でどちらの手で取るか?
などなどスピードを上げる方法はいくらでもあります。

なぜ、今右足から踏み出した?なぜ今右手使った?など、
これらは実際に指摘されることもあるくらいです。
スピードアップのために工夫できることはいっぱいあります。

粉薬や軟膏ミックス、水剤など、
薬剤師がやらなくてはいけないことはあるのでこのスピード化もかかせません。
粉も水もすでに機械がありますが、まだどの薬局にもある、
という段階ではないので速さを求めていいと思います。

また、効率化という観点で、普段の店舗の業務も改善を繰り返しましょう。
ピッキングのための棚の位置や、引き出しに入れるのか上の棚に入れるのか?など、
一緒に働くメンバーによっては、棚の位置等変えてもいいと思っています。

動線を考えるのは、管理薬剤師だけではなく、新人でも思いつきます。
効率的に動ける配置を考える癖をつけ、提案することはいい事です。
たとえ採用されなくても、日頃から考えて仕事をしていると評価ができます。

自分が経営者であれば、仕事が早い人と遅い人がいれば
どちらを採用したいかは一目瞭然ですね。

より効率的に!よりスピーディーに仕事を回すにはどうしたらいいかを考えてください。
そして、できた時間は投薬を充実させる時間や在宅に使えばいいのです。

業界等の情報収集能力

最後は情報収集能力です。
これはそこまで絶対的に必要な能力ではないですが、
これを知っている、知っていないでは、その後の成長が変わってきます。
危機感を持つ・感じるという意味では必要かと思います。

調剤報酬の改定もそうですが、それ以外にも薬局にまつわるニュースは多いです。
それらを定期的にチェックして、どうしてこうなったのか?
今後はどうなるのか?というニュースの裏や時代の流れを読んでください。

2016年にかかりつけ薬剤師という言葉が出てきて、
どんどん調剤報酬改定のたびに算定用件等も厳しくなっています。
どのようなことを薬剤師に求められ、
どのような薬剤師が生き残るかがわかるかと思います。

時代がダイナミックに変わっている時なので、
より、情報には敏感でいて欲しいです。

調剤報酬は全て国のご意向により、簡単にも厳しくもなります。
今後、どんどん厳しくなることが予想されるのであれば、
情報を早く掴んで、いち早く取り組むことが大事になってきます。

昔とは違い、今は情報収集するには色々な媒体があるので、
色々な方法で情報を掴み、
皆さんには色々な情報に敏感になっていただきたいと思います。
情報感度の高い人になりましょう。

以上、新人調剤薬局薬剤師が身に付けたい5つの力になります。

5つの力に優劣はないと思っていますが、
知識・コミュニケーション能力は常に磨いてください。
調剤薬局業界はこれまで成長業界でしたが、既にそのフェーズは過ぎています。
そのような業界ではどうしてもお金の事や業界の流れを読める人材が重宝されます。

これらを意識して知識・経験を伸ばしていければ、
きっと素晴らしい薬剤師になるのではないでしょうか?
そんな新人になることを祈って、

それではまた、バイバ~~~~~~イ

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