寝る前はクーラーをタイマーで消すので、途中で暑くなって、
やっぱ、タイマー付けなきゃよかったと後悔するメガネにゃんです。
暑いよ日本。こんなに夏暑いのに、冬が寒すぎるのはよくわからない。。。
私は、大学院卒業後、製薬会社で臨床開発職、正確にはモニター職についたのですが、
薬学部を卒業していてもこの職業のことをちゃんと理解している方は多くないので、
今回、解説していきたいと思います。
製薬企業に就職したいけど、どんな職業があるのか?
モニター職興味あるけど、モニター職って何?など
就職先に悩んでいる薬学生や単純に興味がある人に参考になればと思います。
また、低学年の薬学生はこのような職業があることを知る事もいいと思います。
薬が発売されるまでの流れ
まずは、医療用医薬品がどのように発売されるかについて理解しないと
臨床開発職について理解が難しい・イメージしにくいと思うので、
前提となる知識を初めに確認していきたいと思います。
以下にどのような過程を経て、医薬品が発売されるか図に示しています。
薬の一生について簡単に説明しますが、(上の画像を参考にしてください)
最初のステップは、薬の種となる物質を発見し、その薬の種を動物や細胞を使って
有効性や安全性を確認します。問題がなければ、次のステップに進みます。
次のステップでは、実際にヒトに投与し、効果が出るか?安全性に問題はないか?
を確認します。
晴れて効果も安全性も問題なければ、データをまとめて、厚労省に申請します。
審査を受け、承認されたら、薬の値段が決められて、発売となります。ヤッター。
発売後はMRさん達が販促し、医師に紹介していくわけです。
その時に安全性なども集めます。
以上が簡単に薬が発売されるまでの流れになります。
この流れで、約15~20年・1000億・3万分の1の確率と言われています。
研究職と言われるのは、この薬の種を見つけて、
ヒトに投与する前段階までの職種の人です。
ヒトを対象にした試験のことを臨床試験と言い、
特に医薬品の承認のために行われるものを治験と言います。
この部分に関わるのを臨床開発職というのです。
臨床開発職とは
治験に関わるのが、臨床開発職と言いましたが、また、その中でも仕事が分かれています。
私はモニター職(CRAとも言う。同じ意味合いで使われることが多いです。)
と言われる職に就いていました。
多くの製薬企業で新卒対象者として募集しているのが、
モニター職・CRA職になります。
製薬企業としては、必ず治験が多くあるわけではないので、
治験の数によって人手がいらないため、業務を外注するのですが、
その、外注する先をCROといい、CRO業界でもモニター職の募集が多いです。
他には統計解析やDM職が募集されることはありますが、多くはモニター職になります。
臨床開発職の詳細はCROのMICメディカルさんのホームページがわかりやすいので、
リンクと画像を貼っておきます。
CRA・モニター職とは
では、モニター・CRA職とは何をするかですが、
会社によって多少違いはありますが、
治験の依頼と実施、治験中の状況監視、治験の終了はやります。
治験を依頼する前の計画や厚生労働省へ提出する資料の作成、
対応等に関わる場合もありますが、
大企業の場合はそれらは他の職の人がやったりします。
臨床開発職の所で書いたようにDMや統計解析、QAもやらないです。
私が新卒で入社した会社は大企業でもなく、小さい会社だったため、
モニター職でも計画から携わったり、厚生労働省に提出する資料の作成対応をしたり
する人もいました。
また、最近ではCROのモニターをまとめることをやる人もいました。
施設選定・治験の開始
企業によって多少違いはありますが、基本的にやることは大体同じで、
治験の依頼はその治験をやれる施設なのか?(スタッフの問題や候補となりそうな症例数。また、治験は作成する計画書に従って行っていただき、
治験中、飲んではいけない薬、やってはいけないこと があるなど、縛りがあります。
そういったことをしっかり監視しなくてはいけないのですが、
そこは、現場の病院で対応してくれているスタッフの能力によるところもあります。
そういったことを総合的に判断します。)
実施できる医師なのか?(やる気や治験をやったことがあるか?など)
の選定作業をします。
この、施設選定により治験の進み具合やかかる費用が変わるので、結構重要です。
治験に参加できそうな患者数がいなければ実施は難しいので、そこはシビアになります。
何てったって、治験を依頼するだけでもお金が発生することも多く、
1例も症例が入らなくてもお金が垂れ流しの場合もあるからです。
(私も1例も入らず300万くらい長期間垂れ流した時があります。。。。。)
治験の実施をやることが決まったら、開始するための資料を作成します。
施設によって、必要な書類が違ったりするため、
必要な独特な書類が多い施設だと大変だったりします。
また、開始するには、治験審査委員会という倫理性等々その治験を病院で実施するのに
許可を得るための最低5人以上の委員会に話を通します。
そこで、治験を開始するときに説明をすることもありますし、
実際、病院で治験を開始する段階になったら、施設の治験に関わるスタッフを
集めて、治験の説明会を開いたりします。
症例が多く入ったりするかは施設や担当Drのやる気により、運もありますが、
モニター・CRAの腕・能力にかかるところもあります。
治験中の状況監視
治験中の状況監視というのは、上記の計画書にちゃんと従ってもらっているかを
確認する作業のことです。
治験はGCPというルールの下、行われるので、それから逸脱していないか、
計画書に則ってしっかり行われているかを監視するわけです。
この監視をしっかりやれていないとデータとして使えない症例が増えてしまうので、
必要な症例数が足りなくなる・費用が予想以上にかかるなど起きるため、
モニターの腕が試されるわけです。
治験の終了
治験の終了というのも、これまた、治験中のデータが足りないものを収集したり、
各種関係各所に終了の報告をするわけです。
最後はデータを確定させるわけですが、それらを担保します。
つまり、治験の現場を依頼者側として回すのが、モニター・CRAになります。
まあ、医療機関との窓口となり、治験の進行状況をモニタリング(監視)し、
医師が提供した症例報告書(各症例のデータをまとめる報告書です)の記載と
カルテを確認する。って感じです。
メインの仕事は症例報告書とカルテの確認になります。
出張も多く、一番体力的に辛いため若手が多く、モニター・CRAを経験した後に、
他の職種に異動することも多いです。
現場を知っているからできるという感じでもあります。
繁忙期
忙しさで言うと、やはり、治験の立ち上げ時と終了時が繁忙期になります。
会社によりますが、私が所属した会社は多くの治験が実施しているわけではなかったので、
社内で実施する治験は全部関わっていました。
糖尿病の薬の開発、目の薬の開発、透析関係の薬などです。
だいたい、1つの薬の開発に対して、計画書(プロトコール)があり、
1プロトコールに対して、1人で3~4施設担当しておりました。
(プロトコールは例えば、Aという薬が胃癌に対して効果がありそうなら
胃癌に対して1つ、大腸癌にも効果がりそうなら大腸癌に対しても1つ
という感じで、作成されています。)
開発する薬が難病や難しい病気などでは、
大学病院や基幹病院などが依頼する病院になります。
一方、糖尿病や高血圧など、被験者さんがいっぱいいる病気の薬の開発であれば、
クリニックなどでも実施しています。
出張の回数など
私の会社はそこまで大変ではなかったので、最低週1回、
多くて週3~4回くらいの出張でした。
たぶん、1週間の内の出張は、平均2.〇日くらいだったと思います。
ほとんど、同じ日(午前、午後)や連日で行けるように調節して出張していました。
直行直帰も多かったので、新幹線や電車の時間により朝早く、
夜遅くなることもありましたが、稀に早く帰れたりする場合もありました。
また、前後に観光したり、食事を楽しんだりもしていました。
観光は会社の規則的に色々引っかかるかもしれないので、、、詳細は書きません。。。。
関連職種について
モニター・CRAについては何となくわかったかもしれませんが、
関連職種について、簡単に説明していきます。
QC(クオリティコントロール):モニターが集めてきたデータが間違いないか、
プロトコールやGCPから逸脱等していないかなど、
チェックすることが主な仕事になります。
プロトコールのチェックなどしたり、当局に提出する資料のチェックしたりもします。
DM(データマネジメント):治験のデータのチェック。
モニター・CRAが集めてきたデータを整合性を確認したり、
統計解析できるようにデータ化するなど信頼できるデータの確保。
データ化するためのシステムの構築や管理などです。
統計解析:DMが収集・整備した臨床データの有効性と安全性をもとに、
解析と臨床試験の計画策定を行う仕事。
臨床試験の計画立案では、治験薬の有効性を科学的に裏付けるため、
「どのような試験を実施するか」、「何人の被験者が必要か」、
「どのようなデータを取るか」などを提案。
臨床試験で集められた膨大なデータを科学的に読み解き、様々な解析手法を用いて、
最終的に申請資料としてまとめ上げます。
簡単にですが、関連職種について説明しました。
モニター・CRAで新卒入社することが多いと思いますが、
定年になるまでモニター・CRAをやる人は少ないです。
モニター・CRAの経験を活かして他の職や、上に進んでいくので、
また、入社したら他の仕事を知ることも重要になってきます。
最後はおまけでしたが、モニター・CRA職とはどんな職業か理解が深まりましたでしょうか?
また、CROのモニター職や企業のモニター職、待遇や給料などについては
別の記事に書きたいと思います。
今回の記事が参考になったら幸いです。
じゃあ、またね~
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